インプラント治療
IMPLANTインプラント治療
IMPLANTインプラントとは、ネジのような形状をしたチタン製の人工歯根です。歯を失った顎骨にインプラントを埋入して人工歯を取り付けると、歯の代わりとして機能させることができます。
インプラントの材料であるチタンは骨と結合する性質をもつため、インプラントは顎骨にしっかりと固定され、自分の歯のような感覚で噛めます。入れ歯のように硬いものが噛みにくかったり、お口の中に異物感が生じたりする心配もありません。また、ブリッジのように健康な歯を削る必要もなく、ほかの歯に負担をかけない点もメリットです。
たかはし歯科医院では、患者さまのお口の状況を詳しく把握し、より安全にインプラント治療をご提供します。複雑な外科手術を必要とするケースにおいても、インプラントに精通した歯科医師と連携して症状や状況に適した治療をご提供しますので、どうぞ安心してご相談ください。
インプラント・入れ歯・ブリッジの比較
インプラント治療はメリットの多い治療でありますが、「誰にとっても良い治療」というわけではありません。歯を失った際の治療法には入れ歯治療やブリッジ治療もあるので、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較したうえで、より自分に合う治療を選択することが大切です。
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矯正の種類 |
インプラント治療 |
入れ歯治療 |
ブリッジ治療 |
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治療できるケース |
外科手術が必要なので持病など全身状態によっては治療できない。 |
ほぼすべてのケースで治療できる。 |
両隣に土台となる歯がない場合は治療できない。 |
治療費 |
基本的に保険は適用されないため、高額になる。 |
保険が適用されるため、治療費を抑えられる。 |
保険が適用されるため、治療費を抑えられる。 |
周囲の歯への負担 |
周囲の歯を固定源としないため、負担がかからない。 |
部分入れ歯は固定源となる歯に負担がかかる。 |
土台となる両隣の歯を削る必要があり、負担がかかる。 |
顎骨の痩せやすさ |
顎骨が痩せるのを抑えられる。 |
入れ歯が合わない場合は顎骨が痩せやすい。 |
やや顎骨が痩せやすい。 |
噛む力 |
自分の歯と同じような感覚でよく噛める。 |
噛む力は自分の歯の70%ほどに低下する。 |
自分の歯のように噛めるが、強い力はかけられない。 |
見た目 |
歯肉から歯が生えているような自然な見た目を再現できる。 |
保険適用の部分入れ歯は金属のバネが目立つ。 |
保険適用の奥歯のブリッジは金属製で目立つ。 |
耐用年数 |
適切なメンテナンスで20年以上機能する可能性が高い。 |
保険適用の入れ歯で耐用年数は3~5年ほど。 |
保険適用のブリッジで耐用年数は7~8年ほど。 |
治療期間 |
個人差はあるが3ヵ月~1年ほどと長期にわたる。 |
2週間〜1ヵ月ほどで治療が完了する。 |
2~3週間ほどで治療が完了する。 |
インプラント治療の流れ
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ご相談
まず患者さまのお口を診察し、現状のお口の状態と必要な治療についておおよその治療期間や治療費も含めてご説明します。治療に対する疑問や不安などもどうぞ遠慮なくご相談ください。
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検査
より的確な治療のためには、お口や顎骨の状態を詳細に把握することが必要です。歯周病検査などお口の中の検査のほか、レントゲン撮影や口腔内写真撮影、お口の型取りなども実施します。
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治療計画のご説明
検査結果をもとに診断し、治療計画を立案します。治療計画については患者さまに充分にご理解いただけるよう丁寧にご説明します。患者さまと相談しながら治療計画を決定し、治療を開始します。
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初期治療
より安全にインプラント治療を行なうためには、お口の中を清潔に保つことが必要です。治療が必要な虫歯や歯周病がある場合には、先にその治療を行ないます。骨量が足りない場合は骨造成も実施します。
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インプラントの埋入
局所麻酔をして歯肉を切開したら、顎骨にドリルで穴を形成します。ネジのように回しながらインプラントを埋入し、インプラントの頭部にカバーを被せて歯肉を縫合します。
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人工歯の装着
インプラントと顎骨が結合するまで数ヵ月待ったら、再び歯肉を切開してインプラントの頭部に人工歯の土台を取り付けます。その状態で型を取ってセラミック製の人工歯を作製し、インプラントに装着します。
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メンテナンス
インプラントを長く使用するためには治療後のケアが重要です。患者さまには毎日歯磨きでお口を清潔に保っていただくとともに、定期的に受診して検診やクリーニングを受けていただきます。
顎骨が足りない方の治療
(骨造成)
BONE AUGMENTATION
インプラント治療では、インプラントを顎骨に固定するために充分な骨量が必要です。しかし、歯周病をはじめとしてさまざまな理由で顎骨が痩せてしまっている場合もあります。顎骨が痩せていると、インプラントを埋入するとインプラントの一部が骨から露出したりインプラントを固定できなかったりするため、そのままでは治療することはできません。
当院では、顎骨の量が足りない場合には「骨造成」を行ないます。骨造成とは、痩せてしまった顎骨に対し、患者さまご自身の骨や人工骨などを用いて骨量を増やしたり再生させたりする外科手術です。著しく顎骨が痩せているような場合でも、事前に骨造成を行なうことでインプラント治療ができる可能性が高まります。
「重度の歯周病で顎骨が痩せてしまっている」「インプラントで治療したかったけど骨が足りないといわれた」という方も、あきらめずに一度ご相談ください。
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サイナスリフト
上顎の奥歯部分の骨量が広範囲に不足している場合に行なう骨造成です。骨を増やしたい部分の顎骨の側面に窓のように穴をあけ、そこから上顎洞の粘膜を持ち上げて移植用の骨を詰めることで骨を増やします。
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ソケットリフト
上顎の奥歯部分の顎骨が不足している場合行なう低侵襲の骨造成です。インプラントを埋入する方向から顎骨に穴を形成し、下から上顎洞の底の粘膜を押し上げて移植用の骨を詰めることで骨を増やします。
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ソケットプリザベーション
抜歯後に顎骨が痩せるのを防ぐために行なう骨造成です。歯を失うと顎骨はどんどん痩せてしまいますが、抜歯で顎骨にできた穴の中に移植用の骨を詰めると骨の再生が促され、顎骨が痩せるのを防げます。
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GBR
顎骨が薄いために埋入したインプラントの一部が露出してしまう場合に行なう骨造成です。インプラントを埋入後、骨が足りない部分に移植用の骨を置いて人工膜で覆うことで歯肉の侵入を防ぎつつ骨を再生させます。
インプラントの
メンテナンスについて
MAINTENANCE
インプラント自体は金属なので病気にはなりませんが、インプラントの周囲の骨や歯肉は、細菌に感染すると歯周病のように炎症を起こしてしまいます。この状態を「インプラント周囲炎」といい、悪化するとインプラントの周囲の骨や歯肉が破壊されるため、インプラントが脱落する原因になります。
インプラント周囲炎を予防するためには、治療後のメンテナンスが不可欠です。インプラントのメンテナンスは、患者さまによる毎日の歯磨きと、歯科医院で受ける検診やクリーニングのことを指します。メンテナンスを継続することで、インプラントの周囲の骨や歯肉が細菌に感染しにくい清潔なお口を保つことができます。
また、定期的に検診を受けていただくと、インプラントや人工歯の不具合や噛み合わせの変化を見逃さず、大きなトラブルにならないように早めに対処することも可能です。治療後は毎日歯磨きによるセルフケアを続けるとともに、必ず定期的に検診を受けるようにしましょう。
インプラント治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
- 高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
- 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
- 手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
- 手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
- 手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
- インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
- 毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
入れ歯の作製・使用にともなう一般的なリスク・副作用
- 内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- 入れ歯を固定するため、患者さまの同意を得てから残存歯を削ったり抜歯したりすることがあります。
- 使用直後は、口腔内になじむまで時間がかかることがあります。
- 事前に根管治療(神経の処置)や土台(コア)の処置が必要となることがあります。
- 入れ歯を装着していない時間が長いと、残存歯の傾きや損失、歯槽骨(歯を支える骨)の吸収などが起こることがあります。
- 咬合が変化したり、固定源である残存歯が削れたり抜けたりした場合は、入れ歯の調整・修理が必要になることがあります。
- 金属を使用する入れ歯では、金属アレルギーを発症することがあります。
- 使用方法などにより、破損することがあります。
- 定期的な検診・メンテナンスが必要です。
ブリッジの作製にともなう一般的なリスク・副作用
- 内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- 失った歯の両隣の健康な歯を削る必要があります。
- 支えになる歯に負担がかかり、将来的にその歯を失う可能性が高くなります。
- 奥の場合は金属でしか対応できません。
- 連続して歯を失っている場合、治療できないことがあります。
- ブリッジと歯肉との間に食べ物のかすが詰まりやすいので、口の中の衛生状態を保つことが難しくなります。
- 顎骨の吸収を抑制できません。
骨造成にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 外科手術が必要となります。
- 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
- 治療後、骨がしっかりと作られるまで3~6ヵ月の治癒期間が必要です。
- 歯周病の方、心疾患や骨粗鬆症など内科的な疾患のある方は、骨造成治療が適さないことがあります。
- 口腔内の衛生状態の悪い方、顎骨が足りない方、免疫力や抵抗力が低下している方、歯周病発生リスクの高いとされる糖尿病の方、喫煙する方は、すぐに治療できないことがあります。
- 日常的に服薬しているお薬などが治療に影響することがあります。
- サイナスリフト・ソケットリフトの処置にあたり、上顎洞膜が破れる可能性があります。その場合、手術後に抗生剤を服用して感染を予防し、膜が自然に治癒するまで待ちます。
- 体の状態や細菌感染により、骨補填材と骨とが結合しない場合があります。この場合、原因を取り除き、ご希望があれば再治療を行ないます。
- 骨の成長途中であるお子さま(おおよそ18歳未満の方)、妊娠中の方は治療が受けられません。